調理実習の楽しさ

一色高校で教員として働き始めて約8か月が過ぎた。日々の生活の中で感じることは様々あるが、調理実習を行う際の生徒の充実した姿を見ることが楽しみのひとつである。

●1年生の家庭総合、3年生のフードデザイン、食文化、調理といった科目で調理実験や実習を行っている。どの授業でも前向きに実習に取り組む生徒の姿が見受けられるように思う。

●1年生は、まだ包丁を持つことすらぎこちない手つきであるが、3年生のフードデザインコースの生徒ともなると、調理に際して自分なりの工夫を施すなど、さすがである。技術だけでなく、考える力や表現力も備わっているようだ。

野菜の切り方などの技術はもちろん、卵をよく泡立てることによりスポンジケーキが膨らむことや、片栗粉やコーンスターチでとろみをつけること、ゼラチンと寒天の扱い方や固まり方の違いなど、実際に経験を積み重ねる中で、新しい発見をしている。これらの経験が、実生活において役に立つ力へと成長したらこの上ない喜びだ。

自分たちの料理したものを美味しそうに食べる表情を見ていると、こちらも幸せな気分になる。料理にはそんな力があると感じる。

(太田)