ワタシたちはガイジンじゃない Nós não somos Gaijin

「センセイ、まだ「ニューカン」にいます、今日やすみます。」

●「ニューカン」は、外国ルーツの生徒が多い定時制では聞き慣れた言葉です。かつての入国管理局、つまり現在の出入国在留管理庁の管轄する、名古屋出入国在留管理局のことです。

●日本に在留する外国人は、永住者、定住者、家族滞在者など、さまざまな在留資格をもちますが、定期的に在留資格を更新する必要があります。そのつど本人が必要書類を持って、「ニューカン」に行きます。

●外国人が携帯する身分証明書「在留カード」の携帯も義務です。かつて、在留カードは「外国人登録証」でした。交付や切り替え申請には、指紋の押捺も義務でした。

●定時制の生徒の約半数は、外国にルーツがあります。そして、多くの外国ルーツ生徒が日本人の血を引いています。フィリピンやベトナムなどアジア圏の生徒は、義務教育後に来日する場合も多いですが、日系ブラジル人の生徒たちは、日本生まれ、日本育ちという場合も少なくありません。

●90年代ブラジルは経済が不安定でした。そんな中、日本の入管難民法改正で、多くの日系ブラジル人が日本にやってきました。日本の経済成長に貢献し、今も多くの産業で日本経済を支える人々です。当時、親と共に来日した子どもたちが日本で育ち、その子どもたちが高校生世代となっています。

●年末に放送された番組、「ワタシたちはガイジンじゃない」は、名古屋市内の九番団地、全世帯の三割を外国籍が占める団地を舞台に、宮藤官九郎さんの脚本と、イッセー尾形さんの一人芝居によって、日系ブラジル人の歴史をたどります。

<日系ブラジル人の女性>

ブラジルでは、私たちはジャポネース、日本人、と言われてて、私たちも日本人か外国人かどっちかわからない感じ。

<日系ブラジル人の男性>

(リーマンショックの影響で)急に「派遣切り」、三人に一人はブラジルに帰ってしまった。その時自分たちがどれだけ弱い存在かと感じた。

<早朝からゴミ出しを見守るために集積場に立つ日本人夫婦>

大変な思いをし、いろいろやったことを思い出した。それと同時にもっと思いやりをもたないといけないと感じました。

●宮藤官九郎さんの脚本らしい、笑いとあたたかいユーモアの中に、たくさんの日系ブラジル人たちの真実の物語があります。

 

ワタシたちはガイジンじゃない

2月11日(木・祝)[NHK総合]後10:20~11:33(73分)全編ポルトガル語字幕付き

https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=27075

 

(岡)