高校進学を考えている中学校3年生のみなさんへ

高校進学を考えている中学校3年生のみなさんへ

~一色高校3年生からのメッセージ~

〇私は、西尾市内の中学校を卒業し、一色高校普通科で3年間学び、長野県立大学グローバルマネジメント学部に進学が決まった現3年生の生徒です。

〇下の文章は、3年間の高校生活が次の目標へとどのようにつながっていったのか振り返り、まとめたものです(これは、大学に提出したものの一部です)。

〇何かに打ち込むこと、そしてそれを支えてくれた仲間がいたことをうれしく思っています。一色高校は、そんな私を育ててくれた高校です。

私が高校3年間で力を入れたことは、部活動の和太鼓部の活動です。…観客を魅了する演奏をするために心がけてきたことがあります。それは、公演の目的を踏まえ、曲目に合わせた楽器を選び、演奏するときの表情や動きを想定し、舞台全体のイメージを演奏者が共有することです。そのためには、事前の調べと話し合いがとても大切になります。時には、部員と意見が合わないこともあり悩みました。

私はこの活動から、協働することの大切さと困難さ、そして観客と一体となった演奏ができた時の喜びを知るとともに、1つのことを学びました。それは、全体を視野に入れつつ、それを成り立たせている要素に着目して、それらを組み合わせ、調和させることの必要性です。このことは、物・事をマネジメントすることの大切さにつながると考えています。

私には、ブラジルと日本という2つの祖国があります。学校では日本文化に触れながら、家庭ではブラジル育ちの両親の元、ブラジル文化の中で生活してきました。お互いが共生するためには、何よりも経済生活の安定が不可欠であることを日常生活の中から肌で感じてきました。これからの地域社会においては、グローバルな視野で持続可能性の観点から、異なる物・事・人をつなぎ組み合わせ、地域社会を活性化し、新たな価値を生み出すビジネスのマネジメントが必要であると考えます。

私は、地域社会の活性化に関わる時代のキーワードは3つあると考えています。SDGsに代表される「持続可能性」、それを可能にするための物や事、人の「マネジメント」、そして、人の在り方に関わる「協働性」です。

私は、大学卒業後、地域ビジネスの創造に関わる仕事に従事したいと考えています。物・事・人をビジネスでつなぎ、異なる文化を持つ者同士が共生し続けることができるような地域社会作りに貢献したいと考えています。

これまで日本では、東京及びその周辺圏に人口が集中してきましたが、新しい生活様式の在り方が求められている今、地域への人口移動がうまれ、それにともない地域社会の在り方自体の組み直しが行われるのではないと考えます。その点、長野県は、歴史的に4地域に分かれ、それぞれが多様性に富んだ地域社会を成立させていますので、多様な選択肢のある県づくりが可能になるのではないかと思います。この多様な選択肢のある地域社会作りこそ、多文化共生のためのグローバルマネジメントの1つの目標ではないかと思います。

高齢化社会や人口減少が急速に進んでいる日本では,外国人労働者を積極的に雇用し始めています。しかし、言語や経済生活上の問題から、外国人労働者は持続的なストレスを抱え、居住地を転々とする仲間を私は知っています。多文化共生を掲げ、住み続けることができる地域社会作りに向けて、ビジネスの側面から貢献できる人として活動することは、2つの祖国をもつ私の責任であると強く自覚しています。

私は、他の人と協力し合って何かに挑戦することがとても素敵なことだと高校時代に学びました。高校卒業後だけでなく、大学卒業後の展望も見い出すことができた高校生活にとても感謝しつつ、今は次のステップに向けて取り組んでいます。