3学期「終業式」(放送)でお伝えしたこと

●3月17日(火)、本日は、時差登校の2回目、各HRで放送による終業式を学年ごとにHR単位で行いました。学校長からのお話の概要は、次の通りです。

・皆さん、おはようございます。今日は、3畳程度の狭い放送室からお話をしています。本来なら、いつものように、体育館で皆さんの目・顔を見ながらこの終業式を開催しているところですが、それができないことを寂しく思います。

・皆さんは、臨時休業中、どのようにお過ごしでしたか?毎日がコロナウィルスの話で窮屈に感じていたのかもしれませんが、確かに今世界は、人類が対処しなければならない重大な問題を抱えているのも事実です。

・今回の新型コロナウィルスに関連して、フランスでは、日用品を扱う店への外出以外は全て禁止になり、違反者には罰則が科せられるということ、スペインからは猛烈な勢いでこの感染症が広がっているということ、イタリアでは死者が1800人を超え、昼夜を徹して医療にあたる医者・看護師からの悲痛の叫び声などが報道されています。日本では、北海道についで愛知県が第二位の感染者数となり、先の見えない不安が広がっています。

・ここで一つ、皆さんに考えてほしいことがあります。それは、「皆さんにとって学校とはどんなところですか?」ということです。

・本来なら、今日は、今年最後の学校行事であるスポーツ大会の日でした。プレーをしながら、クラスの友達とたわいもない話をしたり、これからのことについて語り合っていたはずです。

・これまで当たり前と思っていた日常の高校生活ができない今、自分にとっての高校生活の意味を再発見できるのではないか、ということです。そこで、私は皆さんにもう一度問います。「皆さんにとって学校とはどんなところか?」

・本当は、学校はとんでもなくぜいたくな場所であることに気付いた人もいるでしょう。先生や友達と過ごす時間や絆の大切さやそのありがたさを感じた人もいるでしょう。自分の好きな教科の授業を受けたいと待ち望んでいる人もいるのでしょう。

・私は、こんな時期だからこそ、そうした 当たり前の日常への感謝の気持ちをもち、皆さんにとっての高校生活の意味を再発見して欲しいと思います。(以前、「ありがとう」の反対語は、「当たり前」とお話したことがありますね。)

・幸いにも皆さんは、あと一年、あるいは二年、学校というぜいたくな場所で、多くの体験ができる時間が与えられています。やがて始まる新学年のために、これからの休みをどのように過ごすのか、それがまさに課題です。(あと一年、あるいは二年もすれば、皆さんは高校を卒業します。)

・来年度から少なくとも2年間、一色高校は学校全体で、一つの大きなテーマを持って、HR・授業・一高祭などに取り組む予定でいます。それは、世界・日本、地域、そして私たちの学校・HR、そして皆さん方がこれから健康的な生活をして、継続的(持続的)に成長していくための取り組みです。

・HRでは、過ごしやすい居心地の良いHR生活をどうすれば実現できるか、クラス目標を作って取り組んでみる。総合学習では、地域が抱える様々な課題を取り上げてみんなで考えてみる。各教科の授業では、過去は現在にどう繋がっているのか、海外の高校生はどんなことを今学んでいるのか、数学はどう日常生活に役立つのか、本校の校歌には、歴史的にどんな願いが込められているのかについて味わってみる、などです。

・その大きなテーマは、SDGs(「持続可能な発達のためのゴール」)です。世界・日本、地域、私たちの学校・HRの視座から、これからできる私たちの、持続可能な発達(成長)のための取組を考えようということです。

・私の後、生徒指導部長の渡辺大介先生が話す、「スマホの校内利用(新)規定」に関するお話も、皆さんたち自身の持続可能な健康の問題とも深く関わっています。

・それでは、最後に住岡夜晃(すみおかやこう、明治生まれの宗教家)の詩を紹介します。こんな時期だからこそ大切にして欲しいことです。(朗読は、数学科の中川進路指導主任です。配布したプリントを見てください。)

「讃嘆の詩(さんだんのうた)*徳をほめたたえるうた」
青年よ強くなれ
牛のごとく、象のごとく、強くなれ
真に強いとは、一道(いちどう)を生きぬくことである
性格の弱さ悲しむなかれ
性格の強さ必ずしも誇るに足らず
念願は人格を決定す 継続は力なり
真の強さは正しい念願を貫くにある

・大切なことは、先ずは願いを持つこと、その願いが皆さんの人柄(人格)を作ること、その願いをかなえるために継続して取り組むこと、人の本当の強さとは願いを貫くつこと、なのです。

・私は、この感染症の対策ワクチン開発のために昼夜を問わず研究を続けている世界の医師たちの誠実な取り組みに感謝しつつ、皆さん方「青年」のこれからの取組に期待して、この放送を終わります。4月3日の離任式での再開を期待しています。

(学校長)