イングリッシュローズ
●今から20年ぐらい前、我が家の庭に最初に植えたバラが、イングリッシュローズである。このバラは、花の姿が美しくて香りが強く、丈夫で育てやすいことが特徴だ。何年かは楽しむことができたが、思いやりをもって育てなかったのか、やがて朽ちてしまった。
●その後しばらくバラ作りからは距離を置いていたが、昨年、再度挑戦しようと思いたち苗木の本家本元に注文した。先日やっと注文した品が届いたので、今日(2020年2月15日)早起きして、それらを植えてみた。
● イングリッシュローズとは、イギリス人のバラ育苗家 ディビッド・オースティン氏が作りだしたバラの品種群(ブランド名にもなっている)である。1961年に最初の品種が発表された後、200種ほどの品種が今も生み出され続けているそうだ。
●かつて、イギリスのコッツウォルズを訪れたことがある。庭の木は刈り込まずに枝が伸びていて、植物や花は無理に剪定されることなく栽培されている。自然の景観美を大切にしているということだろう。香水に似たこのバラの香りが、さらに庭の味わいを深くさせている。
●18世紀以降のイギリスでは、写実的な風景画が流行した。風景画の世界観を絵画の中だけでなく、現実の風景にも取り入れたいと考え庭の多様性と不規則性を論じ、庭造りは風景画を描くのと同じだと説く風潮が生まれたのである。これがイギリス独自の様式、イングリッシュガーデンである。
●イギリス人は、秩序と無秩序の間に位置する庭の景観美を、森の中に見い出だしたのではないかと思う。19世紀の産業革命で多くの森が失われてしまうと、なお一層のことその気持ちは強くなったのであろう。大木とその足元に広がる小さな木々や草花、野鳥や昆虫が織りなす小宇宙を想像してみると、日本の森歩きでも同じ感覚をもてる。
●今回植えた3本のイングリッシュローズは、次のとおりである。順調に育てば、こんなバラとして庭を飾るようだから、興奮せずにはおられない!
名前:LDブレスウェイト
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名前:スイート・ジュリエット
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名前:チャールズ・レニー・マッキントッシュ
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●草花も(人も)思いやりの気持ちをもって育てることが大切だ。我が家の庭に繰り広げられる小宇宙をバラの香りで楽しめる日を楽しみに、今度こそ大切に育てようと思う。
(村瀬)🌹