季節の楽しみ

●かねてから季節ごとの行事や行楽を楽しみにしている私ですが、近頃はその傾向がより強くなってきました。

●私には四歳と二歳の息子がいます。やんちゃ盛りと賑やかな毎日を過ごしており、休みごと、時間があるごとに、一緒に散歩にでかけます。枝や石ころ、木の実を拾うのは日常で、春にはタンポポの綿毛を探し回り、夏には炎天下でセミを追い、秋には落ち葉をひたすら集め、冬には水たまりに張った氷を割って歩きます。

●この夏はよく水遊びもしました。朝顔やゴーヤを育てたり、かき氷を作ったり、流しそうめんをしたり、近所の夏祭りを巡ったり、七夕の飾りを作ったり。些細なことでも全力で楽しむ子供たちの側にいると、季節ごとの楽しみがあるのは素敵なことだと、改めて感じます。

●古典の世界をみてみても、我々の祖先は昔から四季を楽しみ、身近な自然に心癒されてきたことがよくわかります。春にはお花見、秋には紅葉狩り、その感動を和歌に詠んだり。近しい人と自然の美しさを楽しむことは、最高の娯楽だったのではないでしょうか。

●スマートフォン、タブレットが普及した現在、息子たちもこなれた感じでYouTubeなんかをみているわけですが、それでも実際に手で触れ、肌で触れ、親子で手をつないで散歩する時間は格別のようです。お母さんと手をつないで歩いてくれる時期も今だけだと、贅沢な時間を過ごしています。

●何をしていても楽しい幼少期。成長するにしたがって、楽しいことばかりではなくなります。そんな中、困難以上の喜びを、些細な身近なことから見いだせますように。ちいさいてのひらを握りしめながら想います。

(深尾)