夏休みの研修

●今年の8月上旬、久しぶりに大学主催の講習会に出席した。内容は、「学校教育において教職員が知っておくべきLGBTの基礎知識」である。私が担当している家庭科でも、「家族」や「人生設計」等の項目の授業で取り上げる分野であったため、興味関心があった。

●ワーク活動を取り入れた講習で、自分自身の考え方を再認識する場面があった。例えば、様々な項目について、「男」イメージと「女」イメージとに振り分けて、そのイメージ度の強さを、パーセンテージで答えるというワーク活動だ。それらを横軸に示していくと、自分が持っている「男」「女」のイメージ度をグラフに表すことができる。私としては、自分は偏見の少ない人間であると思っていたのに、意外にも思い込んでいたところがあり、驚かされた。

●ずいぶんと昔のことであるが、男子1人が女子4人がいつも行動を共にしていることに気づいたことがあった。最初は女子に人気のある男子なのかと思ったが、やがて、そうではないことを知った。彼女たちは5人組の女子友達であった。その女子4人は女子の友達としてその男子を偏見なく受け入れていたこと、そして男子が自分の悩みを打ち明けることのできる雰囲気の中で、学校生活を送ることができていたことに、私は、ほっとした気持ちになったことを覚えている。

●思春期には、自分を見つめ、自分の性について考えることが増える。これは、ごく正常なことだ。しかし、LGBT、つまりマイノリティの人たちには相談できる人間が少なく、思い悩むことが多いのも、まだまだ現実かもしれない。

●学校現場として、教職員一人一人が生徒を一個人として尊重し、学校生活で困っていることに耳を傾ける姿勢の重要性を再確認した価値ある講習会だった。

(鈴木)