頑張れ受験生!

3年生のセンター試験対策の英語教材に、次のような文章が載っていた。そのあらすじは、次の通りである。

●「白人医大生ハリスは、車に置いたパソコンを何者かに盗まれた。盗んだ男から何も知らずにそのパソコンを200ドルで買ったイスラム教徒であるアラブ首長国連邦からの交換留学生シャリフは、そのパソコンが盗品だと知り警察に届け出た。自分のパソコンを手にしたハリスは、シャリフが男に払った200ドルを払うと申し出たが、シャリフはイスラムの教えに則り頑なにその申し出を断った。この二人の若者の出会いが地元新聞に掲載された。それを知ったシャリフが学ぶ大学の学長は、シャリフの行いに感動しパソコンを進呈する。」

● ここで大事なことは、良い行いをした人物は、イスラム教徒であるアラブ首長国連邦からの交換留学生だということだ。英文自体はそんなに難しくなく読みやすいのだが、この文章を出題したことには意図があると感じた。それは昨今の難民排斥の動き、人種間あるいは宗教間対立などについて、次世代の若い人たちに考えさせることを目的の一つにしているのではないだろうか。

その英語教材には、”この出来事から、ハリスが持っていたイスラム教徒に対する偏見とアメリカでさまざまな嫌がらせや差別を経験してきたシャリフの対白人観(対白人社会観)に変化が顕われた。”と説明がある。

●英語の長文出題にはさまざまなメッセージが込められていることを問題を解きながら感じた。

今週末はセンター試験、頑張れ一高生!

(鈴木)