「やさしい日本語」を知っていますか
●12月9日(日)に西尾市国際交流協会主催の「やさしい日本語講座」に参加してきました。「やさしい日本語」って何でしょう。何となく「子どもでもわかる、かんたんな日本語」のことかな、と思われる方も多いと思います。
●「やさしい日本語」は阪神・淡路大震災をきっかけに考案されました。この大震災で、日本語が障壁となり、命を失う外国人が多くいたからです。
●例えば「非常口は右側にあります」という表示を理解できない人に、どうしたらわかってもらえるのでしょうか。思いつくのは、ルビをふることです。「ひじょうぐちはみぎがわにあります。」ならわかるのではないか。
●しかし、例えば私たちが”A saída de emergência está à direita.”という表示を見て「 ア サィーダ ヂ エマルジェンシア エスタ ア ジレイタ」というルビがふってあったら?・・・わかりません。結局のところ、ルビをふったからといって、言葉の意味がわからなければ、理解できないのです。
●そこで登場するのが「やさしい日本語」です。日本に住む多くの外国人は、生活する中で見聞きした日本語なら、理解できる人が多いのです。そのため、相手がわかる日本語で言いかえれば、わかってもらえることもあります。
●例えば「土足厳禁」なら「くつを ぬいでください。」、「静粛にしてください。」なら「しずかに してください。」のように、少し言いかえるだけで、わかりやすくなります。また、表記するときは文の切れ目に空白を入れる「分かち書き」が効果的です。「くつをぬいでください」は「くつを(ね)ぬいでください」というように「~ね」を入れても不自然ではない場所に空白を入れます。”Thisisanapple.” ではなく” This is an apple. ” と表記することで、私たちも意味がわかりますね。また、単語がどうしてもわからない場合は、具体例をあげたり、イラストを用いて関係性を示したりするとわかりやすいようです。
●「やさしい日本語講座」を受講して、「やさしい日本語」とは、私たち日本人が、相手を理解したい、少しでもわかってもらいたい、という気持ちを伝える手段だと思いました。たとえ通じなくても、がんばって伝えようとしてくれたことに、相手はうれしく思うでしょう。そして、いつか私たちが困ったときに助けてくれるのは、そうした経験をした外国人かもしれません。
<参考>
・NPO法人青少年自立センター http://ikitanaka.hatenablog.com/entry/2017/06/26/141007
・弘前大学人文学部社会言語学研究室 http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/sitemap.htm
・日本語のレベルチェックツール「リーディングチュウ太」 http://language.tiu.ac.jp/
(岡)