3 平成30年度の一色高校の取組

●少子高齢化や科学技術の進展やこれまでの一色高校の取組を踏まえ、私たち一色高校は今何をなすべきかについて考えました。この問いの答えが「キャリアプランニングができる学校」作りです。

●この「キャリアプランニングができる学校」とは、高校卒業後、大学・専門学校等に進んでも就職しても、やがては、人は職業人として家族や地域社会を支え、そこに働きがいや生きがいを見出し、自らの人生を切り拓いていくことに着目し、良き社会人・職業人として自立し、地域を支えていく人材の育成にターゲットを据えた本校の方向目標です。

●私たち人間の強みは、目的を設定し、感性を働かせながら、みんなで話し合いながら協働して問題解決にあたることは、先に示しました。地域との関わりの中で、生徒のキャリアプランニング力を育むために、次の2つの観点を学校の教育活動の軸足に据えます。

観点1:自分の在り方生き方を、社会とのつながりの中で、いろいろな科目で学ぶツール(科目独自の見方・考え方、視点や方法)を活用してよく考えて、事物に対する感性を鋭くする教育を行います。

観点2:卒業後に就職しても、大学に進学しても、やがて人は職業人として自立します。一色高校は、地域を支える良き人材の育成という視点から、「今」を考える教育に努めます。

●観点1を実現するために、まずは、考察問題の工夫をします。各考査で、生徒の思考力・判断力・表現力等を育成するための問い、学んだ知識を組み替えて再構成する問題を出題することで、暗記のみに終始しがちな生徒の認識を改め、思考力・判断力・表現力等の育成が求められていることを実感させます。

 本校の先生方が作成した問題案

●観点2を実現するために、これまでの「総合的な学習の時間」を再編します。平成31年度入学生から、これを「総合的な探究の時間」とし、「地域共生と私たち(私)のキャリアプランニング」の学習過程の現在検討を進めています。
 「地域共生と私たち(私)のキャリアプランニング」の作業工程
●高校卒業後の進路は多様でも、やがては、自分の生まれ育ったふるさとに戻り、自らの生活基盤を築いていく生徒が一色高校では多いことから、今の地域の課題は、生徒の将来の課題につながります。確かに、それらは、小・中学校でも学んでいますが、一色高校の各教科で学ぶツールを活用して、捉え直す意義は大きいと考えます。この点に着目したのが、この「地域共生と私たち(私)のキャリアプランニング」です。

 「地域共生と私たち(私)のキャリアプランニング」の学習過程

●一色高校は、「中学校までではできなかったこと」を「できるようにする」ところです。もう一度、中学校の学習をし直したり、科目の学習以外にも、生徒会活動やボランティア活動にも参加しやすい環境を整備しています。私たち教職員は、そういった中学生のみなさんや保護者の方々の期待に応えられるような準備があります。

●これまでの本校を支えてくださった教職員のみなさまや地域の方々の取組を土台に、日本と地域の少し先を見据えながら、生徒が身に付ける資質・能力とその手立てを明確にして、「キャリアプランニングができる学校作り」を進めます。その趣旨をご理解いただき、今後ともご支援賜りますようお願い申し上げます。

一色高等学校長 村瀬 正幸